実際の盗難事件から検証
2014年5月20日に神奈川県座間市のモータープールから高級輸入車「コルベット」4台が盗まれるという事件がありました。
車両のカギは車の中に入れてあり、誰でも動かせる状態であったとのことです。
出入口の門扉は蛇腹式門扉で、最初の1台が門扉を突き破って盗難されています。
ここから「どのような防犯対策をしておけばよかったのか」という点に着目し考えてみました。
車両のカギの管理方法
盗難にあったモータープールでは、車両の中にその車両のカギが入れてあったとのことですが、敷地内とはいえ不用心ではないか、と誰もが思う点かと存じます。
まずはカギの管理方法にメスを入れる必要があるのではないでしょうか。
販売する自動車が出庫(搬出)されるまで、どのような管理方法及び出庫までのフローがあるのか判らない点もありますが、まずは「カギを車の中に入れておく」ことを止める、といったことを土台に管理方法を検討する必要があるかと思います。
ある区画のカギを一括管理・保管し、動かす場合にのみ借りるような形にする必要があります。
車を動かす場合は当然今までと勝手が変わり、面倒な部分が多分に出てくることと思います。
また管理ルールの変更により社員の不満が出てくるかと思いますが従ってもらうほかありません。
カギについてはICカードなどを利用した鍵を管理することができる製品もありますので、そういった機器を利用して、誰が借り出したかを把握するといった方法で管理することも可能です。
※カギを車の中に入れておくよりも断然セキュリティ性は高くなります。
機器を利用した鍵管理及び管理者を設け、管理者をもとに十全な管理体制を築き上げることが、盗難防止するためのステップと思われます。
盗難が行われた出入口門扉
記事によりますと、盗難車両が突き破って逃走した場所の門扉は蛇腹門扉と書かれています。
蛇腹門扉は伸縮門扉といったり、アコーディオン門扉といったりする、形材を幾重にも連結させた門扉ですが、強度を考えると門扉の中では弱い部類に入ります。
稼働部位も多く、使用期間だけを考えても比較的早く壊れる可能性のある門扉といえます。
今回鋼板製で強度の高い引戸門扉などを使用していればまた結果は違ったように思えます。
少なからず今回盗難で使用された出入口には使用されなかったのではないでしょうか。
しかし、強度の高い門扉にしたとしてもそれだけでは盗難を防ぐことができません。
盗難をする側からすれば、動かせる車両はいくらでもあるわけです。
強度の高い門扉だとしても、2-3台車両を突っ込ませれば壊れてしまいますので、破壊を目的として車両を突入させたのち、目的とした盗難車両を搬出させる、という方法がとられるかと思います。
テロ対策を目的とした門扉は別として、一般的に流通している門扉では悪意を持って進入してくる車両を止めることは出来ません。
ただ、引戸門扉などを設置されていれば普通は通行できないと考えるものですので、抑止という意味ではとても効果のある機器と思われます。
確実に車両を止めるためには
弊社ではロードブロッカーという機器を扱っておりますが、この機械はアメリカ国防省が定めるK4規格を満たした機械です。
K4とは6.8tの車両が時速48km/hで進入した場合の衝突に耐えうることを満たした規格です。
その他にも80km/hで進入した場合の衝突に耐えるK12規格のボラードなどもありますのでセキュリティレベルによって選択することもできます。
実際の動きをご覧ください。弊社の日本での導入事例としては、大使館でご利用いただいております。
このような対侵入車両防止機器を設置するという方法も1つの防止手段になるかもしれません。
「セキュリティという概念」での入退管理を
この事件では車の中にあった鍵をつかって逃走を図っておりますが、鍵が入ってることが想定された事件だったように思われます。
つまり社内における十分な情報管理がなされていたかといった点も改善の余地があるように思われます。
以上のように、この事件の概要をみてみますと、どこか一点を改善すればよいというものではなく、セキュリティ体制・管理体制全体を包括的に見直さなければならないように感じられます。
このような事件はあってはならないものですが、セキュリティという概念を我々に考えさせる意味で、非常に参考となる事案かと存じます。
弊社では、車両や人の入退管理をゲートを用いてセキュリティ強化を図るシステム構築を得意としております。
今回のような高級車盗難の予防手段やテロ対策を具体的にお考えであるなら、是非お問合せください。
御社に最適なご提案をさせていただきます。
(文責:営業部 武藤)